昨日1月16日よりダボス会議が開かれています。今回は、「分断された世界における協力の姿」がテーマとなり、ロシアのウクライナ侵攻により湧き上がるエネルギー問題から、気候変動をどのように達成していくかなどが争点になっています。気候変動へ大きな原因を与えるエネルギー産業の問題は、解決が急務となっており、グローバルで金融業界などでもこの問題に解決するための取り組みを始めています。

エネルギー問題の解決のみならず、産業との関りが深い「グリーン」な戦略については、先日開かれた欧州委員会で、欧州では誤解を招く表示や広告などを防ぐために、企業の自社製品に対し、グリーンをアピールする際は明確なエビデンスで裏付けることを企業に要求する計画を起草したことを発表しました。実は、欧州のようなサステナブル先進国でさえ、ウォッシュが存在します。国内でも、「環境配慮」というワードについてはきちんとした説明が必要になっていますが(「グリーン=環境配慮」だけではありません)、これにより、グリーンのアピールには公的な認証などが必要となり、取得していなければ、グリーンとアピールできなくなります。日本国内ではまだ同じような規制はありませんが、国内のオーガニック野菜などと同じようなもので、この規制に習い、海外製品が多く流通する国内でも同じような流れになってくると予測されます。

ここで必要になってくるのが、認証への理解と推奨です。第4回協議会でも共有した昨年行った認証に関する調査では、特に日本では非常に認知度が低く、内容まで知っているという消費者は数パーセント・・・。このような現状では、海外であっても認証が指標になると余計に混乱したり、また小売りでも”認証がなくても・・”といった志向に対して明確に説明できるかが争点となります。輸入製品が多く流通する日本の化粧品では、グリーンのアピールの際に、正しい認証がついているか、また日本国内でそもそも認証に対する理解を深めなければなりません。グローバルが認証を推奨することにより、国内でも推奨のムードが高まると思われますので、認証への理解を深め、それだけでなく消費者教育についても欠かさず行うことが重要になるでしょう。

著:長井美有紀