このたび、当団体代表・長井による研究論文
“Reframing Clean Beauty: Governance, Transparency, and Biodiversity-Related Practices in the Global Cosmetics Sector with Implications for Japan”
が国際学術誌 Journal of Sustainability に掲載されました。
近年、「クリーンビューティー」という言葉は世界的に広く使われるようになっています。しかしその一方で、この概念は必ずしも明確に定義されておらず、企業や国によって意味や基準が大きく異なるのが現状です。ある企業では「特定成分を使用しないこと」を指し、別の企業では「環境配慮」や「サステナビリティ」を意味するなど、解釈の幅が広がっています。
こうした状況の中で、本研究ではクリーンビューティーを単なるマーケティング概念としてではなく、「環境ガバナンス」という視点から再整理しました。特に、企業の透明性(transparency)、サプライチェーンにおける責任、そして生物多様性への配慮といった要素を統合的に捉える枠組みとしてクリーンビューティーを位置づけています。
化粧品産業は、植物由来原料や海洋資源など多様な自然資源に依存する産業です。そのため、生物多様性や資源管理の観点を含めてクリーンビューティーを考えることは、今後の産業の持続可能性にとって重要なテーマとなります。本論文では、世界のクリーンビューティーの動向を整理しながら、企業の透明性や生物多様性への配慮といった要素を含む形で、クリーンビューティーを「環境ガバナンスの枠組み」として再定義することを試みました。
また、日本の化粧品産業にとっての示唆についても検討しています。日本ではクリーンビューティーという言葉が徐々に広まりつつあるものの、その概念や基準はまだ十分に整理されているとは言えません。国際的な議論を踏まえながら、日本におけるクリーンビューティーの位置づけを改めて考える必要があると考えています。
今後、クリーンビューティーは単なるブランドイメージではなく、企業の環境責任やサプライチェーン管理、そして生物多様性への配慮を含む包括的な概念として発展していく可能性があります。
JSCFでは、こうした研究を踏まえながら、クリーンビューティーの社会実装や業界における環境ガバナンスのあり方について引き続き検討していきたいと考えています。
論文はこちらから閲覧できます。
https://doi.org/10.55845/jos-2026-21104