代表・長井の2025年度学術研究①として、「クリーンビューティーと生物多様性:サステナブルブランドの定量評価に関する予備報告」が本日、昭和女子大学現代ビジネス研究所HPにて公開になりました。(紀要としても後日デポジトリ登録されます)
フルペーパー報告の予備調査として、その結果をまとめたものです。本文が英語のため、日本語概略を以下に公開いたします。
■Clean Beauty and Biodiversity: A Preliminary Report on Quantitative Assessment of Sustainable Brand Practices(クリーンビューティーと生物多様性:サステナブルブランドの定量評価に関する予備報告)
<昭和女子大学・資料> 2026年3月31日刊行
クリーンビューティーと生物多様性
― サステナブルブランド評価に関する予備的知見 ―
(昭和女子大学現代ビジネス研究所 2025年度紀要<資料>に基づく概要)
- 本資料の位置づけ
本資料は、昭和女子大学現代ビジネス研究所紀要(2025年度)に掲載された「Clean Beauty and Biodiversity: A Preliminary Report on Quantitative Assessment of Sustainable Brand Practices」(長井美有紀)に基づく概要版です。
本研究は、クリーンビューティー市場の拡大が生物多様性にどのような影響を与えるのかを検討するため、国内外ブランドを対象に予備的な定量評価を行ったものです。
- 研究背景
近年、クリーンビューティーは「自然由来」「安全」「倫理的」といった価値観とともに拡大してきました。しかし、
・天然原料の需要増加は生態系に負荷を与えていないか
・「ナチュラル」であることは、生物多様性保全と同義なのか
といった点は、十分に検証されていません。
本研究は、「クリーンビューティーは生物多様性と両立可能か」という問いに対する基礎的検証を目的としています。
- 評価枠組み
本研究では、国内外10ブランドを対象に、以下の5指標から評価を行いました。
(1)持続可能な原料調達
(2)生物多様性保全への取り組み
(3)サプライチェーンの透明性
(4)ESG情報開示
(5)環境配慮型イノベーション
評価は公開情報(統合報告書、サステナビリティレポート、認証情報等)に基づいて実施しました。
- 予備的知見(主な示唆)
① 国際ブランドは「ガバナンス型」:欧州・米国ブランドは、
・第三者認証の取得
・トレーサビリティの整備
・定量的ESG開示
といった制度的枠組みが明確であり、生物多様性への取り組みも構造化されています。
例:WELEDA、LUSH、Melvita、The Body Shop、Aveda
これらはUEBT、B Corp、COSMOS等の外部基準との接続が確認されました。
② 日本ブランドは「ナチュラル訴求型」:日本ブランドは、
・国産植物原料の使用
・自然派処方の強調
が中心であり、理念としてはポジティブですが、
・生物多様性指標の体系化
・トレーサビリティの可視化
・第三者認証の活用
については発展途上であることが示唆されました。
例:THREE、SABON Japan、MiMC、OSAJI、ETVOS
③ 「天然」≠「生物多様性保全」
本研究の重要な示唆は、生物多様性への影響は原料の自然由来性ではなく、ガバナンス構造に依存するという点です。
・原料調達ポリシー
・生態系への配慮
・第三者認証
・情報開示体制
これらが整備されている場合、市場規模が大きくても生物多様性との両立は可能であることが示唆されました。
- 日本市場への示唆
日本においては、
・生物多様性に関する社会的認知の低さ
・標準化された評価指標の不在
・中小企業にとっての認証取得負担
が構造的課題として浮かび上がりました。
今後は、
・国際基準との整合
・国内向け評価指標の整備
・業界横断型ガイドラインの構築
が必要であると考えられます。
※以上の内容は昭和女子大学紀要掲載資料の概要版です。
- 今後の展開
本資料は予備的報告であり、3月上旬に国際学術誌Journal of Sustainability にてそのフルペーパーが掲載されています。 統計分析を含む詳細な検証は、フルペーパーをご覧ください。
またこれらを総括した研究発表も予定しています。是非ご期待ください。