「プラスチック循環促進法」が4月に施行されることで、プラスチック製品や容器で企業を選別する消費者や投資家の目が厳しくなってきています。これまでも協議会などで、表面的な施策にならないように、また”プラスチックが悪”といったような風潮にならないようにしなければならないとお話してきましたが、やはり注目度は高いようです。

このほど、カネカが海洋に投棄されても6ヶ月から2年の間で9割以上が微生物などに分解されるという海洋生分解性プラスチック ”海で溶けるプラ”の生産能力を増強すると発表し、話題になっています。価格は通常のプラスチックの二倍するが、昨今の”脱プラ”の流れから、多くの需要が見込まれています。この製品は100%植物由来で、現段階では強度において課題が残るが、独自開発した微生物に植物油を与えて、体内にプラスチックを溜め込ませそれを回収してつくる手法に、大変めずらしさを感じます。あるデータによれば、海洋や土壌などで微生物によって分解される生分解性プラスチックの生産量は、2026年には2021年の3.4倍に増えるといわれているので、各企業の注目度も高くなるでしょう。

これまでも話してきたように、この法律では特に化粧品に関する言及はされていません。業界では、いわゆる表面的なプラスチック問題が隆起して以降、容器や包装を見直し、バイオマスプラやほかの素材に代替する方針が多くの企業で見られています。(成分については、認知はまだまだ低いとみられるが、プラスチックに限らず、配合成分のうち、どの成分が環境負荷がかかっているかなど企業が判別することができないということも問題であると感じます。)実際、化粧品がどの程度海洋プラスチック問題に関係しているかどうかはどこも出していませんが、確かに化粧品の容器が海に漂っているという報告もあります。少しでも替えられるものは替えることが、地球環境の保全のためには必要です。

今後は、化粧品という質を維持しながら、業界として容器や中身の廃棄・回収方法のガイドラインをつくり、提唱する必要があると考えます。